強酸性の胃内でも生き抜く「招かざる客」、それがピロリ菌です。
かつて胃がんは老化や食生活が原因と考えられてきましたが、現在ではその約9割にピロリ菌が関与していることが分かっています。この菌を放置すると、胃粘膜に炎症が続き、慢性胃炎や胃潰瘍、そして胃がんへと発展するリスクが高まります。
ピロリ菌の感染は、胃酸の働きが弱い5歳以下の乳幼児期に集中します。
大人になってからの新規感染は稀であり、今感染している方は、幼少期からの「同居人」を持っているといえるでしょう。
かつては井戸水などを通じた感染が主流でしたが、現代では衛生環境の向上により若年層の感染率は激減しています。
しかし、油断は禁物です。感染したままの親から、食器の共有などを通じて子供へ菌が受け継がれるリスクが残っているからです。
重要なのは、ピロリ菌の有無を知ることが、次世代への「負の連鎖」を断ち切る手段になるという点です。今では、1週間の服薬による「除菌治療」で、胃がんリスクを減らすことが可能です。
除菌することは、自分自身の健康を守るだけでなく、大切な家族に菌を受け継がせない最高のプレゼントとなります。ご家族に感染者がいる方、または一度も検査をしたことがない方は、ご自身の胃の状態を確認してみましょう。
【動画】胃カメラ検査
→ピロリ菌の疑いのため

あさひかわ末広内科・内視鏡クリニック
院長 佐藤
掲載(2026年5月)


