刺身や寿司の後の激しい腹痛―胃アニサキス症に注意

おいしい刺身や寿司を食べた数時間後、みぞおちを襲う突然の激痛。
その犯人の多くが「胃アニサキス症」です。

原因となるアニサキスは魚介類に寄生する2~3cmほどの白い糸状の幼虫です。
アニサキスが寄生している代表的な魚介類はサバ、アジ、イカ、サンマ、イワシ、タラ、ホッケ、ヒラメ、サケ、サクラマスといった、私たちが日常的に口にする多くの魚です。
アニサキスが人間の胃の壁に潜り込もうとする際、局所的なアレルギー反応が起こることで、のたうち回るほどの激しい痛みを引き起こします。
よく「よく噛んで潰せば大丈夫」と言われますが、アニサキスの体は想像以上に強靭で、咀嚼だけで死滅させるのは至難の業です。

最も有効な予防策は、中心部までしっかり「加熱(60℃で1分以上)」するか、「冷凍(マイナス20℃で24時間以上)」すること。また、魚が死ぬと内臓から筋肉(身)へ移動するため、丸魚を買ったり釣ったりしたら速やかに内臓を取り除くことも大切です。

万が一、生の魚を食べて激痛に襲われたら、すぐに消化器内科を受診しましょう。
内視鏡(胃カメラ)で胃壁に潜むアニサキスを探し出し、直接取り除くことで、痛みが治まります。

新鮮な海の幸を安全に楽しむために、正しい知識と予防法を心に留めておきましょう。

あさひかわ末広内科・内視鏡クリニック
院長 佐藤

掲載(2026年8月)